iPad Pro、その後
iPad Pro 11インチ[2020年モデル]とMagic Keyboardを使い始めて1週間弱。Surface Pro Xと比較しての感想をいくつか。
まず、Surface Pro Xに比べて良い点。
ラップトップとしての操作性
文字通りラップトップとして膝上で作業する分には、このMagic Keyboardは便利。 Surfaceのキックスタンド方式では膝上での作業は困難を極めるので、 膝上タイピング好きとしてはこれだけでも乗り換えてよかったと思えるポイント。
もちろん、その分重さが犠牲になっているというデメリットもある。 iPad本体を支えるという役割のせいで、結果的に本体よりもキーボードドックが重いため、 単純に単体のiPadの2倍の重量となる。 13インチ版に至っては、iPad本体とMagic Keyboardで総量1.3kg越えとのことで、 MacBook Airより重いらしい/笑。
フットプリントの良さ
11インチ版に限った話にはなるけど、Surface Proシリーズに比べてフットプリントは良い。 12.9インチ版についてはほぼSurface Proと同じフィットプリントになると思われるので、 前述の「ラップトップ的に使いたい」という点がなければ、あまり優位性はないかなという印象。
ただし、11インチ版についてはその分キーボードの一部が少し特殊な配置というか、 キートップが小さくなって変則的な配置になっているので、そこについては多少慣れが必要。
そして、Surface Pro Xに比べてちょっとイマイチなところ。
日本語変換のインターフェース
元々がiOSなので仕方ないとはいえ、日本語入力の変換時にスペースキーを押すと、 現在入力している平仮名部分が動的に変換候補に変わるのではなく、 ソフトウェアキーボードでの入力時と同様に別枠で変換候補がでてそこから選ぶ形となる。 ソフトウェアキーボードとの共存もしなければいけない以上、パソコンでの操作性と違うため仕方ないとはかなり不便。
一応解決策として、「ライブ変換」機能をオンにすれば解消できる。 これは、MacOSでも搭載されているもので、入力した文字がリアルタイムに予測される漢字に変換されていく。 そして、スペースキーを押すことで他の変換候補に切り替えることができる。 つまりはパソコンでの入力時と同じ動作にできる。 とはいえ、個人的にはこのライブ変換の自動変換機能そのものは嫌いなので、完全な解決には至っていないものの、 まぁなんとかこれで凌いでいる。 とりあえず今後のアップデートに期待。
あと細かな部分で、日本語入力時に英単語を打っていると、勝手に単語の両端にスペースが挿入されてしまう。 自動補正機能が働いているのだと思うのだけど、これがすごい邪魔。 設定から変えられるだろうと思ったものの、補正機能を片っ端からオフにしてみても改善されない。 引き続き対策を調査中。
Appleペンシルの置き場がない
現行のiPad Proに対応しているAppleペンシル第二世代は、Surface Slimペン同様に無線充電となっているのだけれど、 iPad Pro本体にくっつけて充電する方式。 Surface Pro Xのようにキーボドケース側に収納場所がないため、iPad本体にくっつけておくか、別途持ち歩く必要がある。 せめて磁力をもっと強力にしてくれて、鞄の中で勝手に外れないようにしてくれればよかったのだけど、 従来のSurface ProおよびSurfaceペン同様に、本体にくっつけて無造作に鞄に入れておくとすぐに迷子になる。
対策として、カバーに貼り付け可能なペンシル用ホルダーを買ったけど、 きっちりホールドしてくれる代わりにつけ外しが煩わしいので、うーん…という感じ。 なので、この点についてはSurface Pro XのキーボードカバーとSlimペンの方が優秀。
リモートデスクトップ系アプリのマウスの挙動が変
折角のトラックパッド付きということもあって期待していたのだけど、 やはり扱いとしてはタッチ操作の代替という感じなのか、 リモートデスクトップ系のアプリでパソコンに繋いだところ、満足に操作できなかった。
この辺については当然各アプリ側での対応も必要となると思われるので、今後に期待かなというところ。 逆にここがクリアされれば、iPad OS上でどうしても行えない作業はリモートでデスクトップPCに繋いで、 という使い方ができるのでより便利になるかなと。
総評
Magic KeyboardとAppleペンシル込みで揃えると、最低スペックでも15万円程度するという値段を考えると、 機能的にはノートパソコンの完全代替とはいかないため、コストパフォーマンスの面ではどうなのかというのはかなり個人差が出るかなと。 ただし、たいていの作業はiOSアプリで代替できてしまうのも事実なので、 iPadでの作業用に環境を構築する気合があれば、全然『あり』かなという印象。
逆に、環境構築に時間をかけたくない、且つペンシルなんて使わないから無難なラップトップ環境が欲しいという人にとっては、 MacBook AirやSurface Laptopを購入した方が満足度は高いと思う。
まぁ、いずれにしてもまだまだiPad OS自体がローンチされたばかりなので、 真価が分かるのはもう少し先になるのかなと。
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