diary

Surface Pro Xについて

なんか、国内ではあんまり話題になってなさそうな印象のSurface Pro Xについて。

現状最新のモバイル用Surfaceのラインナップとして、

  • Surface Pro 7
  • Surface Pro X
  • Surface Go
  • Surface Laptop 3
  • Surface Book 2
があるわけだけども、Pro XはArmプロセッサ採用のちょっと風変わりな子なのです。

Armプロセッサ採用ということで、簡単にいうと、これまでのWindowsアプリとの互換性がない。 まぁ、実際にはエミュレーション機能によって32bitアプリなら動くんだけど、あくまでエミュレーション経由させるから動作は重い。 且つ、世の中は64bitマンセー状態なので、そもそも32bit縛りでは動かないアプリがかなりある。みなさん大好きアドビCCも然り(イラレ・フォトショはかろうじて32bitもまだあるから、重いけど一応動く)。 そんなスペックにも関わらず、Pro 7よりも割高(モデルによるけど)。

そんなこんなで、海外ではすでに酷評されてるっぽいけど、国内では意外と話題にすらされていない模様。 というわけで、地雷覚悟でPro Xを購入した身として、現状の使い心地を率直に書こうと思う。

まず、私見を述べる前に、なぜマイクロソフトが先のようなデメリットを覚悟でArmプロセッサを採用したかということなんだけど。 当然そこには相応のメリットがあるわけで。 メリットとしては、

  • 省電力化
  • 軽量化(薄型化?)
  • LTE対応&常時接続
  • スマホプラットフォームとの親和性
という辺りの優位性があるのだと思われる。

まず、このプロセッサ自体がクァルコムとマイクロソフトの共同開発ということなんだけど、要は現状多くのスマホで採用されてるプロセッサと同じアーキテクチャなわけで。 結果的に、従来のパソコン用のCPUに比べると省電力・軽量化が実現できているらしい。 事実、Pro Xの本体の厚みは7.3mm程度で、Pro 7の8.5mmよりも1mm以上薄い。 たった1mmとはいえ、実際に手に持ったときの印象は格段に違う。

LTE搭載・常時接続というのも、パソコンだから特異点になるだけであって、スマホと同じプロセッサと考えれば当たり前のことなんだけど、これが意外と便利。 それと、Pro 6にはLTEモデルがあったと思うけど、Pro 7にはないので、LTEが必須という人は最新モデルではこのPro XかGoのLTEモデルの2つしか選択肢がなくなった。

と、まぁ、ここまでは正直頑張れば従来チップでも実現できなくはなさそうなんだけど、スマホと同じプロセッサと使う最大のメリット。 スマホプラットフォームとの親和性。 スマホと同じプロセッサなわけだから、当然、現状スマホで動いているアプリとの互換性が非常に高いわけだ。 で、大方の見方としては、やはりマイクロソフトは今後スマホ市場に歩み寄っていこうとしているのではという見方が強い模様。 現に、Surface DuoとSurface Neoが発表されてて、Surface NeoにいたってはWindows OSではなくAndriod OS搭載ということで、WindowsとAndroid双方のプラットフォームの垣根がなくなれば、よりシームレスな連携ができるというわけだ。 Androidのアプリデヴェロッパーにとっても、Windowsアプリ開発へのハードルが格段に下がるということになる。

そんなPro Xちゃんなんだけど、結論からいうと、まだまだバリバリなにかをこなすには力不足。 先に述べた通り、32bitアプリもしくはArm版のアプリしか動かないうえに32bitアプリは動作が重いので、そんなことは当然なんだけど、そこを酷評してる海外レビュワーがたくさんいる。 ただ、Pro Xの真価は、ネイティブに動くArm版アプリが出揃ってからでないと実際のとこは分からない。

現状も、今はなきWindows PhoneおよびWindows RTの遺産ともいえるArm版アプリがちらほらはストアにあるけど、正直実用に耐えうるソフトは少ない印象。 ただ、すでにアドビがArm版の開発に前向きな姿勢も見せているらしいので、それがローンチされればかなり印象は変わるかも。 もちろん、RTちゃんと同じ末路を辿る可能性もなくはない/笑。

で、個人的な使い勝手として、概ね満足なレベル。 もちろん、「もっと全然ダメダメかと思ってた割には」という前提はつくけど、実際薄型で取り回しは格段によいし、Arm版のEdgeを入れてみたところブラウジングもサックサク。 32bitアプリに関しても、テキストエディタなどのアプリは当然エミュレーション経由であってもサクサク動くし、 クリエイティブ系のアプリでも、上手くGPUが発動してくれるアプリに関してはかなり軽快に動作してくれる(内臓GPUは結構優秀な模様)。

そして、個人的にはLTE対応のパソコンを買ったのは今回が初めてだったけど、意外にも重宝する。 ちょっと出先で作業するときにも、Wifiを探す必要がないし、そもそもセキュリティ的に危険極まりないな公衆Wifiに繋ぐという精神的恐怖から解放される (まぁ、ポケットWifiでも解決するけど/笑)。

それに、WEBブラウジングに関してはなぜかハイスペックPCよりも体感的には快適な気がする。 流石スマホ向けプロセッサ、というべきなのか、単純にArm版のEdgeの性能が優れてるのかは分かんないけど、 細かい作業はしません、メールとネットができれば事足りますっていうユーザーにとっては、Pro X固有のデメリットに悩まされる場面は少なそう。

ただ、現にこうしてSurface Book 2も併用している理由としては、やっぱりアドビCCが満足に動かないのは色々支障が出る。 イラレ・フォトショは32bit版があるから、重いの覚悟で格闘すればどうにかはなるけど、動画編集系のアプリはすでに64bitに完全移行されてしまっているので。 だから、さっきも言ったように、現状の環境だけでPro Xを評価するとしたら、値段の割には全然使えない子だな、とはなってしまう。

とはいえ、軽作業には全然使えるし、なによりデザイン性はPro 7よりは優れていると思うので、ガジェットとしてはありかなと。 あと、すごーく細かな優位点としては、Surfaceペンがカバーに収納できること。 これはね、そもそもペンを使わない人にとってはどうでもいいことだろうけど、メモはペンで手書き派です!とか、イラストをガシガシ描きます!って人にとっては重要なポイントだと思う。 さらに、収納式になったことによって、従来のペンではなく薄型のスリムペンというものを採用してるんだけど、なんとワイヤレス充電式になっている。 従来のペンのあの異形な電池を常備しておく必要がなくなったわけだ(まぁ、そもそもそうそう切れるものじゃないけど)。 ちなみに、Pro 7ではなくPro Xを買った個人的な決定打はこのペンの改良だったりする。

総合的にみて、現状は人柱になる覚悟で買うべき機種ではあるけど、それ故に所有欲は十二分に満たされる気はする。 …ガジェッターというのは、いつの日も所有欲のために散在している節がある/笑。

category:
Surfaceシリーズ
tag:
Surface
Surface Pro X
PC
ガジェット
share:
Line
<< 次の記事
Samsungの次期Chromebookはカッチョいい
前の記事 >>
結局Surfaceに行き着いたワケ
プライバシーポリシー
お問合せ